美味しい燻製づくり

「簡単にできる」「じっくりつくる」「本格的な」燻製づくりのコツ

楽しくつくって、美味しく食べる、燻製の基礎知識
燻製(スモーク)の基本は、木片を熱して出た煙を食品にまとわせるというもの。食品の保存性を高めるために生まれた燻製は、今では風味や食感を楽しむ燻製になりました。スモ―カーや燻製材を使う事で、煙の量の調節や火加減も簡単になり、燻製はどんどん身近なものになっています。
家庭の庭先でも「簡単にできる」燻製、食材の美味しさを存分に引き出す「じっくりつくる」燻製、燻製のプロセスをもっと楽しむための「本格的な」燻製。自分のスタイルの燻製づくり、あなたはどこから始めますか?

燻製の種類

煙にかける時間と温度による3つの燻製法

燻製(くんせい)は、食材を燻煙(くんえん)することで保存性を高めると共に、特有の風味を付加した保存食またその調理法のことで調理法はスモーク (smoke) とも言います。おつまみとしても大人気です。

主な燻煙法として加工温度の高いものより熱燻法、温燻法、冷燻法の3つがあります。なかでも熱燻は短時間で燻煙できるのでアウトドアに適した調理方法です。

◆ 熱燻法(ねっくんほう)

熱燻でつくる燻製メニュー

80℃から140℃の高温で短時間(10~60分程度)燻煙をかける燻製法です。温度管理が容易なので、燻製づくりが初めての方でも簡単にできます。食材が加熱調理されるため手軽に出来る簡易燻煙法ともいえます。

塩漬けや乾燥時間が短いため、保存には向きませんが、キャンプで燻製したいときにはおすすめの方法です。できたての美味しさとあぶって焼いたような口当たりが楽しめます。例えば、牡蠣(カキ)、スモークチキン、スモークステーキなどがおすすめです。

◆ 温燻法(おんくんほう)

温燻でつくる燻製メニュー

最も一般的な燻煙法で30~80℃ほどで燻煙をかける方法です。燻煙時間は数時間から1日程度、一般に燻製という場合はこの温燻を指す事が多いです。

完成した燻製の水分量が全体の50%程度とやや高めのため、長期間の保存には向きませんが口当たりがやわらかく、塩分も少なめで味はかなり期待できます。

外気温の影響もほとんどなく、比較的短時間でつくれるので、温燻法を使える食材は幅広く、なかでもソーセージ、ベーコンスモークチーズ、たくあんなどがおすすめです。

長時間比較的高温でいぶす為に水分が減少し、本来の保存食という意味での燻製ができます。

◆ 冷燻法(れいくんほう)

15~30℃ほどの低温で長時間燻煙をかける方法です。完成した燻製の水分量が全体の40%程度になるので長時間の保存が可能です。歯ごたえは硬く、噛むほどに旨味が出る最も燻製らしい燻製ができあがります。

きちんとした下ごしらえと外気温との兼ね合いを考えた温度管理が必要なので、燻製づくりに少し慣れてからトライしてみてください。冷燻の代表的なメニューとしては、スモークサーモンがあげられます。

燻製づくりの基本手順

これだけは知っておきたい!燻製づくりの基本

難しいと思える燻製づくりも、基本の工程さえ理解していれば、いろいろと応用して自分だけのオリジナル燻製づくりが楽しめます。ニジマスの燻製づくりを例に、燻製の基本手順とそのポイントをマスターしましょう。

【下ごしらえ】

きちんとした下ごしらえが美味しい燻製の秘訣

腐敗を抑えることと燻製作業をやりやすくすることが目的。肉類は血管やスジを取り除き、燻製しやすい形に整える。魚類は内蔵やエラを取り除き、血合いの部分も丹念にこそぎ落とす。食材(素材)はできるだけ新鮮なものを選び衛生管理に注意する。

【塩漬け】

ニジマスをソミュール液につける

味付けと殺菌が目的。塩漬けの方法には大きく分けて、直接塩をすり込む「ふり塩法」と、ソミュール液に漬け込む「たて塩法」がある。ソミュール液やピックル液に一定時間漬け込む方法は、材料が空気に触れないので脂肪分が酸化しにくく、また、溶液の塩分濃度が安定しているんので、塩を均等にしみ込ませることができる。

【塩抜き】

ニジマスに直接流水をあてないように注意

材料の余分な塩分を取り除き、生臭さや腐敗菌などの雑菌を洗い流すことが目的。流水で洗うのが基本。塩抜き加減は、材料のひとかけらを取って、電子レンジにかけたり、フライパンで焼いて味見をしてみる。保存性の高さが必要な時は濃い目の塩味に、保存性を重視しないときは薄めの塩味になるように調整する。

【乾燥】

風乾をする

材料の水分を減らし保存性を高めることと、燻煙の際に煙が表面に付着しやすいようにして仕上がりの色をきれいにすることが目的。乾燥には、風乾と、スモーカーで行う温熱乾燥の二つがあるが、風乾は直射日光を避け、ほこりの少ない戸外で行うのが基本。外気温が高い季節は腐敗を避けるため、夜間に風乾したり、冷蔵庫で乾燥させるのがよい。

【燻煙】

スモーカーにニジマスを吊るして燻煙開始

煙に含まれる成分による腐敗・殺菌効果と、材料から燻製独特の香りと旨味を引き出すことが目的。熱燻、温燻、冷燻の三つの方法や、食材や燻製の場所や時間に合わせて行うが、いずれの方法でも温度の管理が大切である。温度計でチェックし、燻煙材の量、熱源の大小などで温度を調節しよう。燻煙材には木材を粉砕して棒状に固めたスモーキングチップと木材を粉砕して棒状に固めたスモーキングウッド(ブロッグ)があり、つくり方に応じて使い分けることができる。

【熟成】

燻香豊かなニジマスの燻製は格別な美味しさ

燻煙のきつさを和らげ、味をなじませ、深みを与えるのが目的。風通しのよい日陰で寝かせたり、冷蔵庫で寝かせる。できたての美味しさを楽しむ熱燻のほどんどの場合を除き、熟成を行った方が格段に美味しくなる。熟成の後、そのまま食べるか、冷して食べるか、それとも食べる直前に加熱して熱々をいただくかも材料やお好みでいろいろと試してみよう。

スモーカーと燻煙材の選び方

燻製独特の色と味をつける燻煙材、スモーカー

燻製にする材料や燻煙法、それに自分自身のこだわりによって、それに適したスモーカー(燻煙器)のタイプが異なります。また、燻製独特の色と味をつける燻煙材にもいろいろな種類があります。それぞれの特徴を理解して、上手にスモーカーや燻製材を選びましょう。

◆ スモーカーの種類と選び方

スモーカーの種類燻製法には、熱燻、温燻、冷燻の三つがありますが、スモーカーの種類では、大きさがこの三つの方法に関わってきます。たとえば長時間にわたり30℃以下で行う冷燻の場合は、熱源と材料の距離が保てる大型スモーカーが必要です。
熱源と材料の距離が近い小型スモーカーは熱燻専用、温燻には中型以上のスモーカーが適切です。また、段ボール紙製の組み立て式スモーカーは持ち運びが簡単なので、キャンプなどのアウトドアレジャーには特におすすめです。

◆ 燻煙材 ~形状の種類と選び方~

燻煙材の主な形状には、スモーキングチップとスモーキングウッド(ブロック)の二つがあります。スモーキングチップは、火にかけることで煙をおこすので、スモーカー内部の温度が上昇するため熱燻に向いています。スモーキングウッド(ブロック)は熱源を必要とせず、着火剤のついている部分に一度着火すれば一定時間煙を出し続けるので温燻や冷燻に向いています。燻製時間によって、ウッドを半分にして使ったり、2本を組み合わせたり、チップとウッドを使い分けることができます。
また、スモーキングウッドより小型のスモーキングブロックという燻煙材もあるので、燻煙時間によってウッドとブロックを使い分けることができます。

・スモーキングチップ

スモーキングチップ
チップ状になった木片。煙を出すには常にガスバーナーコンロ等の熱源が必要になります。熱源があるため温度管理が難しいのですがコストパフォーマンスが良く、温度管理の必要のない熱燻には便利です。

・スモーキングウッド(ブロック)

スモーキングウッド(ブロック)
木の粉末を棒のように押し固めた線香状の燻煙材。一度着火すると、一定時間煙が出続けます。スモーキングウッドは約5時間20分、スモーキングブロックは約2時間10分、煙を出し続けます。熱源を必要とせず、手軽に使えるので初心者にオススメ。ウッドだけでは温度が上がらないため食材に熱を通すには不向き。冷燻に使うと便利です。

【スモーキングウッド(ブロック)の使い方】
1 使用するスモーカーの大きさや燻煙時間に合わせて、スモーキングウッドを中央の切りこみから二つに割る。 img_block1
2 着火剤のついた面にライターやガストーチなどで着火し、着火面の全体に火がついたことを確認する。 img_block2
3 金属容器やスモーカーの底板の上などに置き、着火剤の炎と臭いが出なくなるまで、約8分間待つ。 img_block3
4 スモーカー(金属容器の場合)にセットする。 img_block4

◆ 燻煙材 ~木材の種類と選び方~

一般的に燻製に向いてるのは、樹脂が少なく、少しずつ燃焼していく広葉樹の固い木です。最初は単独で使用して特徴を理解したら、種類の異なるものを組み合わせて、自分だけのオリジナルで燻製をつくってみるのも楽しいです。

燻煙材の特徴
種類 色つき 香りと特徴 適した食材
サクラ サクラの木。ソメイヨシノではなくヤマザクラが使われている。 普通 香りが強いので、くせのある香りの材料も食べやすくなる。ほかの燻煙材との相性がよいのでブレンドにも向いている。 マトンやラムなどのい羊肉、魚介類
ブナ ブナの木。日本の広葉樹の中で最も多い樹木。 濃い すっきりした香り。タンニン分が強く、色つきは速い。燻煙時間が長いと渋みが強くなるので熱燻、温燻の比較的短時間の燻製向き。 魚介類
ナラ ナラの木。日本全国に分布するミズナラの木のことで、いわゆるドングリのなる木。 濃い くせのない香りで、独特の渋味があり、タンニン分が強く、色つきは速い。 魚介類
リンゴ リンゴの木。バラ科の落葉樹で日本ではリンゴの野生種はほとんどない。 淡い 果樹独特の甘く柔らかい香りで、マイルドな燻製にしたいときや淡泊な味の材料に向いている。 鶏肉、白身魚、チーズ、豆腐、練り物
クルミ クルミの木。本グルミが使われる。 濃い 燻煙材のなかでもかなり固く脂肪分が多いので、持ちがよく煙も多い。独特の渋味で人気が高い。 肉類、魚介類、チーズ
ヒッコリー ヒッコリーの木。北アメリカ原産のクルミ科の落葉樹。日本でも北海道、東北地方で植えらえている。 普通 欧米では最も一般的な燻煙材で、香りが強い。 肉類、魚介類、特にベーコンやハム、サーモン
メイプル カエデの木。北アメリカ原産の落葉樹。成長すると高さ30mを越える。固い樹木で、樹液からメイプルシロップがつくれる。 淡い 甘い香りが特徴。 チーズなど
ミックス サクラ、ブナ、ナラ、カエデのミックス。 普通 各燻煙材をブレンドし、くせがなく、使いやすいタイプに仕上げてあります。 肉類、魚介類、オールマイティ

上手な乾燥が美味しさの秘訣

美味しい燻製をつくるために大切なプロセスである「乾燥」。
乾燥の目的は、保存性を高めるとともに、表面の水分を乾燥させて、材料に煙をつきやすくしたり、余分な水分で身崩れを起こしたりしないようにすることにあり、燻製の仕上がり色をきれいにし、歯ごたえや美味しさにも大きな効果をもたらします。
乾燥にはスモーカーで行う温熱乾燥もありますが、ここでは、風乾、あるいは冷蔵庫内での上手な乾燥のポイントを紹介します。

★ 家庭用品や干しカゴを使うと便利

干しカゴ使用例風乾は、気温が0℃以下の場合を除き、寒い季節なら日陰で外気にさらすのが一般的です。
ロープを張って材料を干すには広いスペースが必要なので、ベランダのような限られた場所で風乾するときには、ピンチハンガーのついた洗濯物干しなどを利用すればスペースもとらず、雨が降ってきてもサッと取り込めるので便利です。さらに、ハエなどの虫、カラスやネコを避けるためには、干しカゴや一夜干し用の網を使うのがおすすめです。

★ 暑い季節には冷蔵庫を使うと便利

冷蔵庫使用例暑い季節や、雨が降っているときなどの乾燥に役立つのが冷蔵庫。
材料を網やザルに並べるかバットにキッチンペーパーを敷いて、材料から出た水分が戻らないようにし、ラップをかけずに、あるいはキッチンペーパーをかぶせて冷蔵庫に入れます。乾燥時間は、外気での風乾に比べると3~4倍の時間がかかりますが、冷蔵庫内は温度や湿度が低いため、材料が傷む心配がありません。

燻製づくりの基本を動画でご紹介♪

燻製器(スモーカー)、燻煙材(チップ・ブロック)の製品一覧

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