テントにはいくつかの種類(タイプ)があります。またテントを選ぶ時にしっかりと考えておきたい大切なポイントがいくつかあります。
ここではテントの「種類(タイプ)」と「テントを選ぶ時の大切なポイント」をご紹介していきます。またテントには「構造」や「素材」ごとに特徴がありますので、それらを順番にご紹介していきます。
皆様がキャンプをする時、誰と一緒に行くのか、どんなところにテントを張るのかなど、それぞれの使用条件を考えながらテントを選ぶ時の参考にしてください。
目次 |
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テントの種類(タイプ) |
テントを選ぶときの大切なポイント |
テントの構造 |
テントの素材 |
キャプテンスタッグのおすすめテントを選んでみよう |
テントの種類(タイプ)
ドームテント
ドームテントは軽量さと収納時のコンパクトさから主流となっているタイプのテントです。
ドームテントは構造のシンプルさから入門モデルと言われますが、入門モデルだけではなくハイエンドモデルまで多数のモデルが発売されています。サイズもファミリー向けから1人〜2人用の小型モデルまで幅広く、一番種類の多いモデルと言えます。
ツールームテント
ドームテントの外幕を延長し、リビングスペースも確保したのがツールームテント、またはロッジドームテントとも呼ばれるモデルです。
ドームテントはリビングスペースのタープを張るため、それを1つにまとめて設営の手間を省き、収納の省スペース化を図ったのがこのタイプです。中級からハイエンドモデルまでが中心ですが、比較的設営の手間がかからないことや、車の省スペース化の影響もあり、入門者にも人気が広がっています。
ワンポール(ティピー)テント
ワンポール(ティピー)テントとは、中央を1本のポールで支える円錐型テントとのこと。インディアンテントやモノポールテントとも呼ばれています。もともとネイティブアメリカンのうち平原に住む部族が移動型住居として使用していました。
とんがり屋根のおしゃれな外観と設営の手軽さ、また居住空間を広く確保できることから、多くのキャンパーに人気が広がっています。キャプテンスタッグのワンポール(ティピー)テントは「8角形」や「6角形」の多面型なので風にも強く安定性があります。
8人用サイズの大型テントなどもあり、テントサイトでも目を引く人気のタイプです。
ワンタッチテント
ワンタッチテントは誰でも手軽に設営できてすぐに使える、とても便利なテントです。
袋から取り出し「パッ!」と広げるだけですぐに使えるポップアップテントや、フレームを傘のように広げて簡単に設営できるドームタイプのテントなど、いろんな種類のワンタッチテントがあります。
このタイプのテントには、宿泊も十分に可能なテント(ダブルウォールテント)、ビーチやBBQでの日よけ(サンシェード)としてのテント(シングルウォールテント)など、アウトドアレジャーの幅が広がるアイテムがたくさんあります。テントの設営・後片付けが億劫だという人も、ワンタッチテントがあれば、もっと気軽にアウトドアレジャーを楽しめますね。
特殊タイプテント(多用途・個性派)
このタイプのテントは、大型・小型を含め単純に種類(タイプ)分けされないものを特殊タイプテント(多用途・個性派)と表しています。同じドームテントでも少し特殊な形状をしていたり、インナーを外せばスクリーンタープとして使用できる複合機能型のテントなどがあります。
設営の手間や使いこなすまでに多少の時間と経験が必要かもしれませんが、このタイプのテントを使いこなせるようになると、上級キャンパーの仲間入りと言えるかもしれませんね。
ロッジ型テント
参考画像:キャプテンスタッグ M-3141 デリエメッシュツールーム(生産中止)
ロッジ型テントは居住空間が広く、室内の快適性の高さから、90年代は中心となっていたモデルです。
最近ではグランピングブームの影響からか、多様なアイテムが登場し少しづつ人気再燃の傾向にあります。
*キャプテンスタッグは、現在ロッジ型テントの生産を行っておりません。
豆知識 テントの流行
最近人気のあるテントはどのタイプなのでしょうか?
一般社団法人日本オートキャンプ協会発行の「オートキャンプ白書」から、実際に多くのキャンパーがどんなテントを持っているのかというアンケート結果が発表されていますので参考に見てみましょう。2017年と2015年を比較してみると、2年の間に僅かながら流行の変化が見られます。
データ参照:オートキャンプ白書2017
データ参照:オートキャンプ白書2015
ここ数年はグランピングというアウトドアスタイルが流行しています。ワンポール(ティピー)テントの人気にも影響しているようですね。
テントを選ぶときの大切なポイント
テントを選ぶときに大切なポイントとして「大きさ」「設営のしやすや」「見た目、おしゃれ感」「予算」「シングルウォールテントとダブルウォールテント」といったことが挙げられます。
それぞれどういったことがポイントになるのか見てみましょう。
1. テントの大きさ
テントの大きさというのは「何人がそのテントの中で寝泊まりするのか」によって決める必要があります。
例えば4人家族でテントを使うのに2人用のテントが1つしかなければ、2人は外で寝ることになりますね。大きめのテントを1つ用意するのか、小型のテントを2つ用意するのか、寝る以外に荷物の収納やテーブルを置くことなども考えるのかなど、それぞれ皆さんの好みがあると思います。いずれにせよ、一緒にキャンプするメンバーと、1つのテントを利用する人数をちゃんと考えて準備する必要がありますね。
テントの大きさは、テントを選ぶときの必須条件です。
表示されている使用人数はあくまでも最大収容可能人数です。ゆったりと快適にご使用いただくには、表示人数からマイナス1人〜2人でのご使用がおすすめです。
例えば「4人〜5人用」のテントであれば3人〜4人で使用する、と言ったイメージですね。
画像:UA-18 エクスギア ツールームドーム270【 4人~5人用 】
2. 設営のしやすさ
テントの設営は、テントの種類によって違いますが、慣れてない人にとっては結構難しいものもあります。テントにはいくつかの種類があり、構造も違ってきます。その種類・構造によって、設営に慣れとコツがいるもの、比較的簡単に設営できるもの、ワンタッチで簡単に設営できるものなどがあります。当然テントの設置場所、使用条件等によっても選ぶ基準は変わってきます。
一緒にキャンプするメンバーが初心者ばかりなのか、ベテランキャンパーが一緒なのかなど、設営するときのことも考慮して選びましょう。
とはいえ、どんなテントでもしっかり手順を確認し、慣れれば誰でも設営できるようになりますので、どんどんチャレンジしていきましょう。
(例1)テントの設営方法【 M-3135 CSクイックドーム250UV(キャリーバッグ付)】
設営簡単ワンタッチフレームを採用!フルフライ仕様で宿泊もOKなドームテント。

1. テント本体を広げ、4か所のポールをジョイントします。

2. テントの中央を持ち上げて、テント内部に入ります。

3. 天井にあるループを傘を開く要領で下方向に引き、テント上部のフックをポールに掛けます。

4. フライを被せてセンターポールを差し込み、フライ裏側のマジックテープをポールに巻き付けます。ペグを打ち込んで固定したら設営は完了です。
(例2)テントの設営方法を動画でチェックしよう!【 UA-35 CSクラシックス ワンポールテント オクタゴン460U 】
大人数で使えるオクタゴン(8角形)の大型ワンポールテント!キャンプ・ツーリング・野フェスなど、アウトドアシーンを楽しく演出します。
3. 見た目・おしゃれ感
せっかくのキャンプ。お気に入りのテントでキャンプしたいのは誰でも同じだと思います。最近はおしゃれなテントがたくさんありますね。色、形状、性能などからお気に入りのテントを探すのも楽しいでしょう。
テント自体のファッション性や室内の快適さなどにこだわってみるのも楽しみ方の1つです。
ただし、最低限の使用条件(大きさや設営、設置場所に適しているか等)を満たしているテントから選ぶように気をつけましょう。
4. テント購入時の予算
実際のテント購入に一番重要なのはご予算の問題かと思います。しかし予算だけで選んでしまうと最低限の使用条件すら満たせない可能性もあります。そうするとキャンプの時にいろんな苦労をする可能性があるでしょう。キャンプの時の皆さんの使用条件をしっかり満たしながら、ご予算に適ったテントを探してみましょう。
また最近では、テントなどのアウトドア用品をレンタルするという選択肢もあると思います。レンタルの場合も同じで使用条件をしっかり満たしているものを選びましょう。
5. シングルウォールテントとダブルウォールテント
テントと言えば「キャンプで寝泊まりするためのもの」というイメージで、当然宿泊用と考える方が多いでしょう。
日帰り用テントというのは、日帰りのアウトドアレジャーで活躍するサンシェードや雨よけ、荷物置きにもなる簡単に設置できるタイプのテントです。ポップアップテントと呼ばれるタイプに多いテントです。
大きな違いとして「シングルウォール」と「ダブルウォール」があります。
シングルウォールテント
その名の通り、1枚の生地(壁)で構成されたテントです。ポップアップテントやワンタッチテントに多いタイプです。生地が1枚なので設営がとても簡単で初心者向けのテントです。
ただし結露に弱く蒸れやすいということもあり、宿泊用には不向きです。また構造が簡単な分、耐久性も弱くなりますので悪天候時(特に強風雨)には使用を控えた方が良いでしょう。
お手軽ですが、日帰りのアウトドアレジャー用として活用しましょう。
ダブルウォールテント
インナーテントとフライシート(外側の生地)の2枚の生地(壁)で構成された、最も一般的な構造のテントです。インナーテントで室内の空間を確保し、フライシートで雨風や結露を防ぎます。家族キャンプなど宿泊するためのテントはダブルウォールを選ぶようにしましょう。
ドームテント、ツールームテント、ワンポール(ティピー)テントなどは、基本的にダブルウォールです。また大型のものや前室と呼ばれるスペースを作れるテントは、このダブルウォールテントになります。
シングルウォールテントより構造が複雑になる分、設営にはコツが要りますが、快適なキャンプを楽しむためにはこちらのタイプを選びましょう。
テントの構造
テントはポールの組み方によって風などに対する強度が変わってきます。同時に組み立てやすさにも関係してきます。
代表的なテントの構造をご紹介していきますので、テントのを選ぶ時の参考にしてください。
ジオデシック構造

4本のポールを複雑に交差させることで交差点を増やし、生地の面を多くして半円形に近づけた構造です。
球形に近く、ポールの交差点も多いので、風に強く、耐久性もある。4本のポールを使用するので重量が重く、その構造により、他に比べて設営が難しいが、横風など耐風性がもっとも強い構造でもあります。
登山などに行く方は、このジオデシック構造がおすすめです。
こちらの記事も参考に
キャンプで失敗しない!テントの張り方「実践編」
クロスフレーム型

2本のポールを一点で交差させた、最も単純な構造です。
単純な構造なので設営が簡単。重量が軽く、コンパクトに収納できる。構造上、ポールには弾性に富む強い素材が要求されます。
耐風性も強度の高い半円形タイプに近いので優れているが、ポールの交差点の多いジオテック型に比べれば劣ります。
A型(H型)

2本のポールを三角形に組み、そのセンターにポールを通す設計です。
アーチ状でない分、ポールへのストレスが少ない。インナーがほとんど吊り下げ式なので設計が簡単。壁の面が垂直に近くなるので雨水がたまりにくく、高さのある空間を確保できます。
入口部を三角形にした構造は、上からの力に強いが横風に弱いので注意が必要です。
魚座型

2本のポールを2箇所で交差させた構造です。
天井部が平らで面積が広く、内部での圧迫感が少なくなります。2点で交差するポールの構造によって、生地全体にテンションが加わり、テント自体の強度が強まります。
ポールの接点がX型より多くなる分、風など外部からの圧力に強くなります。
魚座型のテントをチェックしよう
UA-19 エクスギア ソロテント
テントの素材
テントは主に「フライ(外側の生地)」「インナー」「フロア」「ポール」で構成されています。
フライ(外側の生地)は耐水性・耐紫外線・強度に影響します。インナーやフロアの素材は夜露や湿気などの防水性に影響します。ポールの素材は重量や強度に影響します。
それぞれの素材の特徴をご紹介していきます。
テントの生地
ナイロン
強度の高い素材としてテントのインナー部によく使われています。
強度 | 引っ張り強度はポリエステルより強く、キズ等でのダメージはポリエステルに次ぐ強さを持つ。ただし、高温の熱には他に比べ極端に弱い。 |
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耐候性 | 紫外線等に弱く、変色や劣化しやすい。そのため、テント生地には加工が施されている。 |
耐水性 | 天然繊維に比べて耐水性は高いが、水を含むと若干強度が弱くなる。 |
ナイロンタフタ:高い水圧に耐えらえるよう、細番手の糸を使った平織り地。キズが目立ちやすい。
リップストップ ・ナイロン(*):平織り地に格子状のウネを作る織り方。タフタに比べ強度が高く、引裂きキズをウネによって遮断する。
*リップストップ:キズを遮断する意味
ポリエステル
強度が高く、耐水性に富む。テントではフライシートによく使われています。
*染色が難しい素材でもある。
強度 | 合成繊維の中で、最も強度が高いといわれるが、引っ張り強度等はナイロンに劣る。熱にはナイロンより強いが、 天然繊維に比べ弱い。 |
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耐候性 | 紫外線等に強く、ナイロンや綿に比べ変色や劣化が少ない。 |
耐水性 | 水を吸収しないため、耐水性は良いが、通気性が悪く、雨の日などは内部が蒸れる。 |
コットン
通気性が良く、テント生地にも使用されます。
強度 | 合成繊維に比べ熱に強く、水を含むと強度が増す。また、通気性に富む反面、害虫などがつきやすく、水分によって生地が縮む。湿ったままにするとカビが発生するなど、メンテナンスが難しい。 |
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耐候性 | 紫外線等での影響は少ない。 |
耐水性 | 水を含むと糸が膨張し、隙間を埋めることで防水効果が上がるが、ナイロン等より劣る。 |
ポリ塩化ビニール(PVC)
水や湿気に強いが、引張りやキズには弱い。テントのボトムによく使われます。
強度 | 合成繊維の中では弱く、テンションのかかるような箇所には使用できない。熱や、化学薬品などに対しては強い。 |
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耐候性 | 紫外線の影響を受けても変化はない。 |
耐水性 | 水分を吸収しないため、湿気や水分による強度の変化はないが、通気性は極端に悪い。 |
ゴアテックス
水分を吸収しないプラスチックのような素材をフィルム状に薄くのばしたものを、ナイロンなどの繊維と付け合わせた透湿防水素材です。
強度 | 合成繊維に劣らぬ強度をもち、引っ張りなどに特に強い。 |
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耐候性 | 紫外線の影響はつけ合わせる繊維によって違う。 |
耐水性 | 防水性は抜群。縫製時に開く針穴はシームレス加工によって解決する。 |
ポリエチレン(PEクロス)
レジャーシート等に使われる素材。テントではスカート部、グランドシートに使用されます。
強度 | 引っ張り強度には優れているが、熱、キズに弱い。 |
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耐候性 | 紫外線での影響は少ない。 |
耐水性 | 水分を吸収しないため、湿気や水分による強度の変化はないが、通気性は極端に悪い。縫製部をシームレス加工できないため、つなぎ合わせる場合にウェルダー(溶着)加工を施しているものもある。 |
テントポールの材質
スチール
強度が高く、キャビンテント・タープ等のポールに使われている。他金属に比べ重く、サビ・変色といった欠点がある。
グラスファイバー
ガラス繊維ででき、天然の木に最も近い弾性を持つ素材。ドームテントのポールに使用される。アルミ合金に比べ重く、折れやすいといった欠点がある。
アルミニウム合金
アルミニウムに他元素を合わせて、軽い性質を生かしつつ柔らかく、強度に劣るという欠点を補った素材。ドームテントのポールに多く使用される。
ジュラルミンが一般的で、6000系、7000系が多く使われ、強度・弾性が高く、軽い。数字が増すに従って強度は増すが、弾性は劣る。塩分などに弱く、耐食性に劣るという欠点は、アルマイト加工などの加工技術により解決している。スチール・グラスファイバーなどに比べ価格が高い。
*ジュラルミン:アルミニウムに銅、マグネシウム、マンガン等を加えた合金
テントの防水性
気象条件が変わりやすく、雨の多い日本ではテントの防水性は重要です。
防水性試験の方法と表示
テントの生地に直径10インチの筒をあて、水を入れて圧力をかけていき、水が約70〜80%浸透した時の水位をmmで表示している。
例)1000mm防水:上記試験方法にて、筒の中の水位が1mの高さになった時、70〜80%の浸透が確認されたということ。
防水加工
通気性撥水加工
フッ素系、シリコン系などの加工を施し、通気性と撥水性を持たせているもの。インナーテントの加工に多く用いられる。
不通気性防水加工、コーティング加工
ポリウレタン系に代表される防水加工。フライ、グランドシートの加工に多く用いられる。防水効果は高いが、通気性はないため、インナーテントのウォールに用いられる場合などは、メッシュ窓等が装備されるのが一般的。
シルバーコーティング
アルミを粉末にし蒸着させる加工法。フライの加工に用いられる。
*PU=ポリウレタン / *PVC=ポリ塩化ビニール
キャプテンスタッグのおすすめテントを選んでみよう
これだけテントのことを考えてみると、早くいろんなところに行ってみたくなるのではないでしょうか?登山、家族キャンプ、ツーリングやサイクリング、海や川、釣り、ロックフェスや各種イベントなどなど、アウトドアの楽しみ方はたくさんあります。
実際にどんなテントが選べるのか、キャプテンスタッグのテントを「各種類(タイプ)別」「大きさ・使用人数別」にご紹介します。
これまでにご紹介したテントの「種類」や「選び方」を是非参考にして、皆さんのキャンプスタイルにぴったりのテントを選んでみましょう。
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